1.はじめに

人手不足が深刻化する製造業の現場で、「段取り替えに時間がかかる」「検査のために人を割けない」という悩みを抱えていませんか？

本記事では、中小企業省力化投資補助金（一般型）を活用し、4軸マシニングセンタと機内測定装置を導入することで、1日4時間の省力化を実現した採択事例をご紹介します。

補助金を活用することで投資負担を約57%削減し、投資回収期間を大幅に短縮した成功事例です。

2.従来の製造現場の課題

従来の3軸マシニングセンタを使った加工では、以下のような非効率が発生していました。

・片面加工→段取り替え→反対面加工という工程の繰り返し

・加工後にワークを取り外し、測定室まで運んで検査

・検査結果を手作業で記録・報告

これらの付帯作業は製品の付加価値を直接生まず、限られた人員を圧迫する要因となっていました。

3.導入設備と投資額

設備構成

・最新型4軸マシニングセンタ(機内測定装置一体型)

・総投資額：2,800万円

補助金活用による負担軽減

本補助金を活用し、補助金額1,600万円を受給。

実質負担額は1,200万円となり、総投資額から約57%のコスト削減を実現しています。

4.4軸マシニングセンタと機内測定装置とは？

4軸マシニングセンタは、従来の3軸(X・Y・Z)に回転軸を加えた工作機械です。ワークを回転させながら加工できるため、一度のセットアップで複数面の加工が可能になり、段取り替えの回数を劇的に削減できます。

機内測定装置(タッチプローブシステム)は、マシニングセンタの刃物の一つとしてタッチプローブを装着し、削った後にそのまま検査を行うシステムです。工作機械から一旦外して測る必要がなく、自動で計測が可能になります。温度変化による測定誤差も排除でき、高精度な品質保証が実現できます。

5.省力化の具体的な効果

効果①　4軸加工による工程集約で段取り替えを削減

従来は「3軸加工→段取り替え→反対面加工→測定室への移動→検査」と複数工程に分かれていた作業を、4軸マシニングセンタにより1台に集約。ワークの複数面加工を一回のセットアップで完了できるため、段取り替えの回数が激減し、工程間の待ち時間も大幅に削減されました。

効果②　タッチプローブシステムによる検査作業の自動化

機内測定装置の導入により、加工後の検査を機械が自動で実行。測定室への移動や手作業での記録が不要になり、作業員は他の高付加価値業務に集中できるようになりました。データの自動記録により、検査結果の手書き・PC入力作業も排除されます。

合計効果　1日4時間の省力化

これらの改善により、1日あたり4時間の省力化を達成。年間では約1,000時間の作業時間削減となり、大きなコスト削減効果を実現しています。

6.補助金採択のための3つのポイント

★ポイント1：工程集約による工数削減と品質向上を両面でアピール

補助金申請では、作業時間の削減だけでなく、品質向上への寄与も重要です。

・4軸加工による段取り時間の大幅削減

・機内測定による測定室への移動・温度変化を排除した高精度の担保

単なる省力化に留まらない、生産性・品質の抜本的向上を示すことが採択のカギとなります。

★ポイント2：「自動化された品質保証体制」の構築を強調

機内測定装置の導入は、単なる設備の追加ではなく、全自動での品質保証体制を構築するソリューションです。

・作業員の手を介さない自動補正機能による不良率の低減

・測定結果のフィードバックによる手直し作業の削減

・最新技術を活用した将来性・革新性

こうした先進的な取り組みは、補助金採択において高く評価されます。

★ポイント3：投資回収期間の劇的な短縮を明示

本事例の最大のメリットは、補助金を活用することで設備を実質1,600万円値引きで購入できた点です。

投資回収期間の比較

・補助金なし：約14年

・補助金活用：約6年

投資回収期間が約8年短縮され、高精度な4軸加工と全自動検査システムという将来の競争力の核となる設備を、低リスクで導入できます。

7.まとめ：今こそ補助金を活用した設備投資を

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